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商店街のドラゴン塗装

ドラゴンもくたびれちゃったようです

今回は岩泉の商店が立ち並ぶメインストリート「うれいら通り商店街」様より木製の龍像修繕塗装のご依頼を頂きましたので塗装状況をお伝えしたいと思います。

 

こちらの龍像、なんと1本の木からの削りだしによる彫刻品です。有名なチェンソーアートの先生が作品として残してくれたもので、龍泉洞敷地内などにも何体か展示してあります。

 

折角のアートなのですが、雨や紫外線に過酷なほど晒される野外環境の為、表面は灰色に退色して味気ない状況です・・・

そこで今回は出来る限り簡潔に修繕してみたいと思います ('◇')ゞ

 

破損させない程度に水圧で汚れを除去する事に決定

 

基本的にアクやカビで汚れた木製品は専用の化学薬品で処理して木肌色に戻すのですが、費用も必要になります。

その点を発注者様にご相談したところ、そこまで大掛かりでないほうが良いとの事でしたので、今回は高圧洗浄と手研磨で下地処理を行う方法を取らせて頂きました。

 

水圧を調整しないと龍の髭や腕がもげるかもしれないので慎重に、butある程度水圧を上げて僅かに木表面を削らないとアクが除去出来ないので中々大変な作業でございました。

 

洗浄後は水分が抜けるまで5日間以上養生期間を設けます。

 

 

色が白い所だけを着色補修

着色補修

 

洗浄前から木が白くなってしまったところが多かったですが、高圧洗浄後は更に白木部分が増えてしまう事となります。

その部分だけを周りの木の色に色を合わせて着色するのですが、目立たないように色を作る技術と目立たないように補修するのには高い技術と経験値が必要となります。

 

木部塗装は屋根や外壁を塗るのに比べて職人の技術レベルがはっきり出る仕事なのかと思います。

今回の補修は親方が行いましたが、もうどこを直したのか分らない位の補修技術レベルです (;^ω^)

親方いわく「こんな表面がデコボコだとお前の想像の1万倍は大変な作業だ」との事です。お疲れさまでした (^'^)

 

外部用クリアーで雨と紫外線の劣化から守ります

 

今回の龍像を劣化から守るベストの方法は小屋を立てて屋根の下に保管する事、なのですがそれなりにお金が掛かってしまうので今回のご依頼を頂いた経緯でございます。

 

塗料の膜で出来る限り劣化から守る事がミッションであります ( `ー´)ノ

 

そんな折で前回は「ランバーガード」という塗料が塗られていたようですが、今回は弾性系の外部木部用クリアーで被膜を作って保護する方法を取らせて頂きました。

 

弾性系なので木材呼吸の伸縮の際にも剥がれ辛く、木材保護着色剤より撥水性の効果時間も長いという結論に至りました。

 

隣は銘菓「栗しぼり」で有名な中松屋様の駐車場なので飛散リスクを考えて刷毛塗りで塗装したかったのですが、うろこのデコボコや彫刻が細かいので塗り残し無く塗装するのは不可能、特に龍の口の中など刷毛では塗れません(*_*)

 

そこでガン吹き採用です!塗装回数は3回吹きにして、作業時間をお店が開店する前に設定して安全に作業です。

 

くたびれ感が出ていたドラゴン様もみずみずしいお肌(鱗?)に生まれ変わりました (^^♪

従来より撥水性も耐紫外線性も格段に向上しているはずなので経過を観察するのが楽しみです。

 

それにしてもチェーンソー1本でこんなに細かい彫刻を施す技術ってスゴいなー (;´Д`)

 

 

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